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最高裁判所第一小法廷 昭和26年(れ)1252号 判決

本籍並住居

栃木県芳賀郡大内村字上鷺谷一一一番地

農業兼鶏卵商

西川勝

明治四三年五月二八日生

右に対する食糧管理法違反及物価統制令違反被告事件について昭和二六年二月一五日東京高等裁判所の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人新江昇の上告趣意について。

第一点 原判決は憲法一四条に違反すると主張するのであるが、犯人の処罰は各犯罪、各犯人の具体性に基いて妥当に行われるべきものであるから、所論のごとき事由をもつて憲法平等の原則に違反するということはできない(判例集二巻一一号一二七五頁)。論旨は理由がない。

第二点 原判決に迅速を欠いた点があるとしても、それは判決に影響を及ぼさないことが明らかであるから、上告の理由とするを得ないことは判例の示すとおりである(判例集二巻一四号一八五三頁)。論旨は採るを得ない。

よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により裁判官全員一致で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 真野毅 裁判官 沢田竹治郎 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 岩松三郎)

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